LINEから住民票などを申請できるシステムを東京都渋谷区で導入し、2020年4月1日から開始されています。
住民票や課税証明書、所得証明書、納税証明書など、すでに郵送請求で取得できる書類が対象です。LINEから渋谷区の公式アカウントを友だち登録して、トーク画面から欲しい書類の請求申請を実施する流れになっています。
申請の際には「運転免許証」などの公的証明書の写真と一緒に、自分の顔写真の送信が必要です。
審査は人工知能を使った顔認証システムで本人確認する仕組みのようで、審査が問題なければ、区の担当部署で申請内容に応じた証明書類の発行し、郵送をする運びになります。
窓口に行かずともLINEで申請できるのは時間短縮になるので便利なサービスという印象です。窓口にいっても結構待たされますからね。
手数料や郵送料などは電子マネー「LINE Pay」での決済が必要になります。
LINE手続きができる内容
- 住民票の写し
- 特別区民税・都民税課税(非課税)証明書
- 所得証明書
- 納税証明書
手続きの流れ
- LINEの渋谷区公式アカウントのトーク画面から必要な書類を申請
- 自身の顔の写真を、正面と横顔の2枚送信
- 運転免許書などの本人証明書を撮影し、送信
- 手数料などをLINEpayで支払い
区の公式アカウントを友だち登録して、あとはLINE上からの申請で手続きが可能です。
申請をクリックすると書類を選択できるようになっていますので、必要な書類を選択し、あとは画面にそって手続きを行っていけば、手続きが完了します。
申請内容に問題がなければ、区役所(渋谷区)から所定の書類は郵送で到着します。

出典:渋谷区
なりすましリスクについて
住民票は郵送でも請求することが可能ですが、LINEで請求と郵送請求を比較した場合、LINE請求の方が「機械的なチェック」と「人的なチェック」の2重で実施されるフローになっているため、なりすましのリスクは低いと、うたっています。
ーー渋谷区が採用しているという仕組みは、顔写真で本人確認しない現行の郵送請求よりもなりすましリスクは低いといえるものなのでしょうか?
渋谷区が採用しているいわゆる『eKYC(electronic Know Your Customer)』は、『「運転免許証」、「マイナンバーカードの表面」、「パスポート」等の顔写真入りの本人確認書類』を用意した上で、これらとスマホ利用者の顔画像を比較するステップが入りますので、上記書類を郵送するだけよりは、なりすましが困難になります。
なお、この比較は渋谷区によると『AIによる顔認証と職員による照合確認とで二重に本人確認を審査できるようになっており』とされており、機械的なチェックと人間によるチェックがなされているようです」
現在、各種証明書を申請、請求する方法は以下の3つが存在します。
- 窓口で直接手続きを行って、受け取る
- 郵送で必要申請書に記入して、申請する
- LINEで申請する
もちろん窓口に行って直接手続きした方が「なりすましのリスク」は低いですが、わざわざ窓口に出向くのは手間がかかります。
手間度合い
窓口手続き > 郵送 > 電子申請
上記の順番で手続き時の手間が変わってきます。
窓口手続き
- 本人確認証や印鑑さえ窓口に持っていけば、事前準備することなく窓口で手続きが行えることがメリット
- 窓口に行く曜日や時間によっては、かなり待たされることがありえる
- 手数料は直接窓口で清算
郵送
- 窓口に出向く必要はなく、申請書を記入し郵送すれば請求できる
- 郵送の手続きのため、発送用の封筒+返信用封筒、また切手代が発生
- 手数料を現金で封筒に入れて送れないため、定額小為替の購入が必要(郵便局にはいく必要あり)
- 郵送のため時間がかかる
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電子申請(LINE)
- 窓口に出向く必要はなく、LINEで手続きが可能
- 申請時には封筒の用意は不要なので、準備することがほぼない
- 書類を受ける時には、郵送されてくるので切手代の負担は必要(区役所⇒自分)
- 申請時はインターネット経由での申請になるのでトータル所要時間は一番短い
- 手数料の支払い方法が、現在は電子マネー「LINE Pay」のみ
この結果から、手間が一番かからず、欲しい書類が一番早く手元に届くのは電子申請であることが分かります。
ただ、まだまだ対応している区役所が少ないでし、支払い方法もLINE Payだけなので、利用していない場合はLINE Payを新規で利用し始める必要があります。
まとめ
私は渋谷区在中ではないので、実際に試すことはできませんでしたが、自分の区役所でも導入したら、ぜひ試してみたいと思います。
将来的には、ほぼすべての手続きがインターネット経由でできる時代がくる可能性が高いです。メリット、デメリットがそれぞれの手続きであるのは当然ですが、スピード感と手間がかからないのはインターネット上の手続きです。
これからますます便利な世の中になってくると思いますが、新しいことも積極的に試して、時代に遅れないようにしていきたいところです。